くしゃみをした人に
「お大事に」と言いたいとき
相手がくしゃみ(sneeze)をしたとき、みなさんは何と言いますか。日本人の場合、
◆Are you catching a cold?
(風邪?)
◆Are you okay?
(大丈夫?)
と言うことが多いのではないでしょうか。
英米人の場合、誰かが、
◆Achoo!(ハクショーン!) *〔アチュー〕と発音します。
とやると、別の人がおまじないの言葉をかけます。
◆God bless you!
◆Bless you!
「神の祝福を!」と声をかけるのです。日本人のみなさんには、なんとも奇妙に思われるかもしれません。
その由来にはいくつかの言い伝えがありますが、そのうちのひとつをご紹介しましょう。
人々がたいへん迷信深かった中世(the Middle Ages)と呼ばれる時代、くしゃみをすると自分の魂(soul)が体の外に出ていってしまい、悪魔(the devil)がそれを奪ってしまうと信じられていました。やがて、誰かが「神の祝福を!」と言わないと霊魂は肉体に戻ってこないと言い伝えられるようになりました。そこで、まわりの人たちが「神の祝福を!」と声をかけることで、出ていった霊魂が持ち主に戻るまでの数秒、悪魔から守ってあげるようになったのです。
乗り物や待合室など、人が集まるところでくしゃみをすると、見知らぬ人から〈Bless you!〉と言われることがありますが、びっくりして無言で立ち去らないように。
また、宗教的なことを考慮して、現代では“God”を控える傾向にあるということも言い添えておきます。
キャサリン・A・クラフト 著、里中哲彦 訳
◆A:Achoo!
(ハクショーン!)
B:Bless you!
(お大事に!)
A:Thank you...AAACHOOO!
(ありがとう……ハアアアクション)
B:Are you okay?
(大丈夫?)
A:Yeah. It’s the pollen.
(うん。花粉なんだ)
*pollen「花粉」(〔パレン〕と発音します)
このように〈Bless you!〉と声をかけられたほうは、〈Thank you.〉で応じるのが礼儀です。
また、ゲップやおならをした場合は、かならず“Excuse me.”と言いますが、それに対して、まわりにいる人は返事をせず、素知らぬふりをするのがマナーです。