「幸せ」な余生を送るために
「心が躍る」瞬間を作っていく

 しかし、「定年」やその他の理由によって、もしあなたが今の組織から離れて自由になったとしたら、状況は全く変わってきます。

 あなたに残されたものは、もはやあなたの「能力」しかなく、「権限」も「資金」も、全て自分でどこかから見つけ出してこなければならないからです。

 これは、気の遠くなるほど恐ろしいことのように思え、「そんなの無理に決まっている」と思われるかもしれませんが、その一面で、少し心が躍るのを感じるかもしれません。

 もし少しでも心が躍るのなら、初めから可能性を否定してしまうのは、あまりに残念です。

 人が生きている中で、最も良いことはなんでしょうか?

 それは「心が躍る」ことではないでしょうか?(逆に一番辛いのは、「心が打ちひしがれる(心が折れる)」ことだと思います)。

 別に大興奮するほどのことでなくても、ほんの少しの間でも「心が躍る」ように感じるのは、得難い経験であり、毎日の生活の中で一番大切にすべきことだと思います。

 そして、その「心の躍る」対象が、個人的な喜びにとどまらず、自分を包み込んでいる社会全体に関わることだったら、その喜びはさらに大きくなるでしょう。

 人間は自分を取り巻く社会の一員としてしか生きていけません。ですから、その社会との関わり合いのあり方は、極めて重要な人生のテーマの一つなのです。

 この関係が濃密で、「自分が社会に対して何か良いことをしている」という感覚があれば、あなたの人生は、たとえわずかばかりでも、より幸せなものになるでしょう。

 あなたの毎日の「仕事」が、生活費を稼ぐために仕方なくやっているだけのことではなくて、「世の中のためになることだ」と自分で信じられるものに、これからもし少しでも変わっていく可能性があるとしたら、あなたの心はきっと少し躍るはずです。

 その可能性を考えてみませんか?