専門知識だけではない!
まだまだある学びの可能性

(3)多刀流タイプは、資格を取って専門的なスキルで仕事している士業の方にもいらっしゃいます。「士業の方はスペシャリストだし、これ以上学ぶ必要があるのですか?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。

 しかし、インサイト調査の回答などから、たとえば「税理士」という肩書を持っていても、お客さまに信頼され「○○先生にお願いしたい」と言われるために、労務など、隣接する領域の知識も身につけて「専門バカ」から卒業したいという声もありました。

 私がハッとさせられたのは、ドライバーのFさんの話です。Fさんは、ペン字を習ったことで、業務日誌や署名の字がきれいだとほめられたそうです。「自身のレベルアップを実感できてうれしかった」と語るFさんに、私も学びのヒントをいただきました。

 社会人の希少性は、専門知識の有無だけで決まるものではありません。

「Fさんは日誌をきれいな字で丁寧に書きますね」という印象は、そのままFさんの信頼や評判につながります。

 自分が周囲からどう見られたいかを考えていくと、思わぬところから唯一無二の人材になるためのヒントが出てくるかもしれません。みなさんの学びの余地もまだまだある、ということです。

『何から始めればいいかがわかる 最高の学び方』では、八つの学びタイプ別に不満や欲求を充たすための「解決策(アイデア)」を紹介しています。また、このアイデアを実行していく際の具体的な行動や考え方を「大切なこと」としてまとめました。

「四つの学びエンジンと八つの学びタイプ」の分析や本書で示した提案の中で、ちょっとでも気になるものがあれば、ぜひ、やってみていただきたいと思います。ぜひご自身にとっての「最高の学び方」を知る旅を、一緒にスタートしましょう。