正解:①NTT株に投資した方が良い
NTTはディフェンシブな高配当利回り株
NTTは財務良好、収益基盤の安定的な高配当利回り株として長期投資して良いと思います。
NTTは相対的にリスクが低い株です。高成長は見込めませんが、ビジネスは鉄壁で、日本の通信インフラを支配している強みがあります。
安価に通信網を開放する義務があるので、大儲けできませんが、安定的に収益が得られます。
2024年3月期は営業最高益をあげました。
NTTには、NTTドコモ、NTTデータなどの高収益の子会社があります。そのため、NTTの連結営業利益率は、安定的に14%近くの高い水準を保っています。
1年で利回り10%の債券には投資すべきでない
債券投資にも、さまざまなリスクがあります。
代表的なリスクは、信用リスク(破綻すると元本が棄損)、金利上昇リスク(金利上昇時に値下がりするリスク)、流動性リスク(売りたい時に売れないリスク)などです。
デリバティブ(先物・オプション・スワップなど)を使って、さらに複雑なリスクを負っている債券(仕組債)もあります。
1年で10%のリターンは、相当高いリスクを負わないと得られません。
どんなリスクがあるか理解しないまま投資すべきでありません。きちんと理解したらおそらく「そんなリスクが高い債券には投資すべきでない」という結論になるでしょう。
2008年9月、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、世界中で株が暴落しました。リーマンショックと言われる危機の勃発です。
同社が発行していたサムライ債(円建て外債)はデフォルト(債務不履行)となり、日本の個人投資家にも大きな損失が生じました。
退職金の大半をリーマン債に投資していた人もいました。円建ての債券だったため、確定利回りと誤認して大金を投じてしまったのでしょう。
安定的に高配当利回りを期待できる銘柄が多い日本株
株は値上がり益で稼ぐと思い込んでいる人が少なくありません。発想を転換してみましょう。
今の日本株には、値上がりはあまり期待できなくとも、安定的に高い配当利回りを期待できる銘柄が増えています。
昔の日本株は、配当ではなく値上がりを狙って買うものでした。1993年頃、東証一部の平均配当利回りは1%もありませんでした。
当時、長期金利が5%近くあったことを考えると、株の利回りは低すぎて話になりませんでした。
ところが、その後長期金利が下がり続ける中で、日本株の利回りは上昇し続けました。
財務内容・収益力の向上した日本企業が、株主への利益配分を増やし続けた効果が出ています。
ただし1つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。
業績が悪化して減配になれば、利回りが低下します。株価が大きく下がる可能性もあります。
単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)