承認欲求が強過ぎる人は
自分自身を認めていない

 SNSの世界では「私を認めて」「褒めて」「肯定して」「わかって」といった承認欲求があふれているようです。人から認められたいという気持ちはだれにでもあるもの。ですが、簡単に他者とつながれるSNSというツールは、「いいね」の数を競ったり、コメントが少ないと不安になったり、これみよがしに幸せ自慢をしたり……と認められたい欲求が暴走して、幼稚な心が育まれやすい環境なのです。

 いえ、現代社会のなかではつねに評価に晒されていて、人に認められないと、自分は価値がないと考えてしまいがち。何歳になっても、SNSで承認を求め続ける人も多いのではないでしょうか。

“承認欲求”とは、「人から認められたい欲求」と「自分で自分を認めたい欲求」によって成り立っています。

 じつは子供は人から認められたい欲求が強い。とくに親の期待に応えなければ価値がない、見捨てられると感じてしまうので、「見て見て!」と承認を激しく求めます。

 成長するにつれて「人に認めてもらえなくても、自分には価値がある」とわかってくる。だから、自分の行きたい道を歩き、「人がわかってくれなくてもしょうがない」と人からの承認がなくてもだんだん大丈夫になってくるわけです。

 真に成熟した大人と、未熟な人との違いの1つは、人からの評価を“マスト(必須条件)”としないことです。

「がんばっていれば、いつかだれかが認めてくれる」と仕事に励んでいても、現実はだれからも評価されないことが往々にしてあります。それでも腐らず、自分で決めたことを全うしようとするのが大人というものです。

 そんなふうに日々、自分の小さな期待に応えるところから、自分を肯定できて、SNSの暴走も鎮まってくるのではないでしょうか。

大人は「人に理解してもらえなくても、自分には価値がある」とわかっています