個性あふれる有名人のモノマネや、代名詞となった「あるあるネタ」で人気のお笑い芸人、レイザーラモンRGさん。実は、「教育パパ」の顔も持ち、長男を都内随一の進学校、都立西高校に通わせていたことが話題だ。どのような教育方針で、子育てに関わってきたのか。同じく子育て中のパパであるライターがインタビューし、その知られざる一面をたっぷりと語ってもらった。【前後編の前編】(ライター 橋本未来)
売れる芸人の法則から学んだ
「褒めて伸ばす」教育方針
――RGさんは子育てに最初から積極的だったのですか?
いえいえ。子どもが生まれた頃は、ちょうど相方のHGがブレイクしていて、僕は今ひとつ芸人としてうまくいっていない時期でした。本当に身勝手な話なんですが、毎日のように飲み会に参加して、先輩芸人から「こうやったら売れるで!」みたいなアドバイスをもらい、売れることに必死でした。だから、子どもが小さい頃はあまり子育てには関われていなかったと思いますね。唯一、意識していたのは、徹底して子どもが望むことをやってあげることでした。
――具体的に、どんなことをしたのですか?
例えば、野性爆弾のくっきー!さんの自宅に家族で遊びに行った時に、奥様がトミカを息子にプレゼントしてくれたら、異様に興味を持ってめちゃくちゃ遊ぶようになったんです。それから、ミニカーを買ってあげたり、東京モーターショーや鈴鹿サーキット、富士スピードウェイにも連れて行ってあげるとか、子どもが興味を持っていることは惜しみなく与えてあげる感じですかね。
欲しいものがあるのに親から否定されると反発しちゃうじゃないですか。自分が子どもの頃を振り返ると、ファミコンとかスニーカーが欲しかったのに買ってもらえなくて、好きなものを諦めた記憶が根強く残っています。自分の子どもには、そういう経験をさせたくないと思って、何でも買ってあげたいし連れて行ってあげたいっていう。
――世の親からすると、甘やかすことにならないか?とか、「何でもやってあげる」の“限度”って難しくないですか?
もちろん、それぞれの家庭で可能な範囲でいいと思います。家計が苦しいのに、子どものために何でもやってあげるのは難しい。
ただ、子どもが成長するために大事なのは、良いところを伸ばすというか、関心があるものを引き出してあげることだと思うんです。これは、周囲の芸人たちから学んだことなんですけど、苦手なことを克服するより、得意なことを強化していく方が売れるんですよ。単純に、得意なことは関心があるので無心で努力できるから、どんどん成長できる。何より、周りに「すごいな!」って褒めてもらえるから、また成長しようって思えますしね。
叱り方を考える暇があるなら
仲良く楽しくなる方法を考えた方がいい
――子どもが大きくなると、時には厳しく叱る場面もあると思うのですが。
あいさつの仕方と人に迷惑をかけないことは伝えていますが、それ以外のことはあんまり...。親の言うことを聞かない時には、叱るんじゃなくて、脇をコチョコチョくすぐって「ちゃんと、やれよ〜」って、じゃれながら言う感じです。
僕もともとね、人に怒らない性格なんですよ。だから、自分の子どもといっても怒り方が分からない(笑)。
――でも、反抗期になると、コチョコチョは通用しなくなりますよね?
うちの子、そもそも反抗期っていうものがなかったんでね。コチョコチョは、中学生ぐらいまでは全然、通用しますよ。それに、つい最近まで外に行く時は一緒に肩を組んで歩いてましたから。
仮に、門限を破って遅い時間に帰宅したとしても、理由は聞きますけど、叱らないでしょうね。逆に、その場で面白い理由でボケてくれたらオーケーかな(笑)。全部、許してしまう。そういう関係を築いています。
記事の後編では、都立西高校を受験する際に家族で一丸となった顛末や具体的な対策、学習環境の整え方やRG家のスマホルール、そして、『小中高校生の親必見!夏休み親子トラブル「あるある」の解決法』をお伝えします。
>>後編『レイザーラモンRGの「子育てあるある」、