ビジネスの現場で英語を使うときには、伝え方に気を付けたい。日本語を直訳してしまうと、言い方がきつくなったり、誤解されたりするリスクもある。特に「催促する場面」は、ストレートに伝えようとすると相手を責めるような印象を与えかねず、難しい。気持ちよく動いてもらうための表現を知っておこう。(著者 マヤ・バーダマン)
相手に気持ちよく動いてもらう
テッパンの英語表現とは?
「英語には敬語がない」「フラットな言語だ」というイメージを持っている人もいます。ただ、実際にはそうではありません。
確かに、日本語のように「です・ます」といった決まった単語や表現、「尊敬語」「謙遜語」などのルールはありませんが、英語では単語の組み合わせや文頭に添えるクッション言葉、リクエスト形式の表現などを使い、丁寧な「敬語」表現に調整しています。「日本人は丁寧で礼儀正しいのに、英語で話すといきなり失礼に聞こえる」という声を聞くことがありますが、そう言われるのには先述のような思い込みが背景にあるのかもしれません。
特に、ビジネスの場では、言葉の選択や表現方法に注意することが重要です。場合によっては、「失礼」「教養がない」といった印象を与えてしまったり、説得力や誠実性、信頼性を下げてしまったりする恐れがあります。
中でも、難しいのは、「相手に不都合なことを伝える」「フィードバックを伝える」などの難しい場面。そのような場面こそ、伝え方が大切です。
例えば、日本語では、「恐れ入りますが」「お願い申し上げます」などの決まった敬語の言い回しがあるので、少々伝えづらい場面でも丁寧な表現になります。一方で、英語では同じような形式的な表現がないため、内容のみを伝えると、直接的で一方的に聞こえることがあります。
今回は、「催促」のシチュエーションを例に、相手を「動かす」(心を動かす・アクションを取ってもらいやすくなる)表現をご紹介します。他の場面でも応用できますので、ぜひ使ってみてください。