あるとき、いつもよりもおかずの品数が少なく、なんとなくくつろげない感じがしました。変だなと思ってテーブルを見てみると、そこには見慣れない湿布が。「これ、なあに?」と聞いてみると、「腰が痛い」との答え。話を聞いて、翌日、一緒に病院に行ったそうです。その後、母親が歩きやすいように台所も片づけました。観察あっての「物コミュニケーション」の成功例といえるでしょう。
体の衰えを子に悟られることを嫌がる親もいます。ストレートに「どこか痛いの?」と聞くと、プライドが高い人ほどごまかしがちなので、さりげなく観察することが肝心です。
また、人口減少と高齢化が進む今、特に都市近郊の住宅地では、かつて自分が住んでいた頃と様子が大きく変わっていることがあります。
近所のスーパーや病院の閉鎖、ゴミ出しのルール変更など、生活に直結する環境の変化がないか、親目線で確認してください。
ネットスーパーを使えない親は、近くの商店がなくなれば、あっという間に買い物難民になり、不安で買いだめします。実家の周辺の変化に早く気づいておけば、子のほうでフォローする態勢をつくる時間も稼げます。