話し方、歩き方から、目力、服装
メンバーの隅々まで目を配る

 つまり、「人と人」との接点の多いリーダーの仕事のすべてを、型にはめられるようなセオリーはないのです。

 これは、あなたがこの先リーダーとして仕事をする上で、非常に重要なポイントになります。これを頭に入れておかないと、うまくいかないときにへこんだり、不要なストレスを抱えることになります。

 では、大切なことは何かといえば、それは「相手をよく観察する」ということです。

 十人十色のメンバーそれぞれに合わせて、自分のアプローチを変えなければいけないのであれば、まずは、メンバーのことを把握するところから始めましょう。メンバー一人ひとりの性格やキャリア志向などを理解することはもちろんのこと、その日のコンディション、その時々の状況についても、じっくり観察するのです。

 観察力が高いリーダーは、メンバーの話し方や歩き方から、目力、服装に至るまで、しっかり見ています。ちょっとしたひと言から、メンバーの心理状態を推察したりもします。そうして変化を見ながらメンバーの様子をしっかりと捉えて、対応を変えているのです。

 あなたも、「なぜ、今日のAさんはきちんと動いてくれないんだろう」と悩むのではなく、「昨日のAさんと、今日のAさんではコンディションが違うようだ」という前提に立ち、その時々の状況に合わせたコミュニケーションを心がけましょう。

 相手が人間である以上、相性の問題やコンディション、感情の波もあるのだということを理解しておくことが大切です。

図表3:優れたリーダーは観察力が高い同書より転載
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職場をダメにする「エラそうな上司」の7つの特徴『リーダー1年目のマネジメント大全』(木部智之 著、三笠書房)