これでは、チームのパフォーマンスが向上するはずがありません。
不思議なのは、誰しもこうした「偉そう」な人と仕事をして嫌な気持ちになったことがあるはずなのに、いざ昇格すると、途端に「自分も偉くなった」と錯覚する人がいることです。あなたが優れたリーダーをめざすなら、ここで勘違いをしないようにしましょう。
なぜなら「偉そう」に振る舞うリーダーには、メンバーが意見を言いづらい、反論しづらい、報告しづらい、いちいちお伺いをたてないと物事が進まないなど、不毛なことが数多く発生するからです。
この状況は、組織・チームとして健全ではありません。
「上司」「部下」という
組織ピラミッドを横に倒す
リーダーが「偉そう」にふんぞり返っている組織やチームには活気がなく、どんよりとした雰囲気が漂っています。
私がこれまで見てきた素晴らしいリーダーたちは皆、偉そうに振る舞うことはありませんでした。放っておけばメンバーから「偉い人」という扱いを受けてしまうので、むしろ意識して、そういう空気をつくらないように努めているようにも見えました。
実際、そうしたリーダーが率いるチームは活気があり、高い成果を上げていたことを覚えています。
私は上司、部下という言葉を使わないようにしています。
なぜなら、これらの言葉には「上」と「下」という文字が入っており、まるで上下を定めているように受け取れるからです。
リーダーとは単なる役割です。上でも下でもなく、チームを統率して、チームとして成果を出すためのポジションです。
野球ではピッチャーや4番バッターが目立つことが多いですが、それらもチームの一員です。他のポジションや打順と同じようにチームの中のフラットな役割の一つなのです。