冒頭でIOCがパリ五輪開催中の誹謗中傷が8500件あったことを公表したように今の技術ならば、チームや所属をするアスリートにどれほどの誹謗中傷が寄せられたのかをカウント​できるのだ。ならば、それを公表して、ファンにその数の少なさを競わせたらどうか。

「馬鹿馬鹿しい」と失笑する人も多いろうが、これくらい発想を変えないと誹謗中傷の数は増えていく一方だ。例えば、プロ野球であれば、12球団が決められた期間に、チームや所属する選手への誹謗中傷数を調査して順位を公表する。

 もしそこで誹謗中傷の最も多い球団が巨人だったとしよう。ジャイアンツファンははらわたが煮えくりかえるくらいの屈辱だろう。「巨人ファン? ああ、SNSで誹謗中傷ばっかしてる連中でしょ」という悪いイメージが社会に広まってしまうからだ。さて、ではこのような調査がまた半年後に行われるとして、熱心なジャイアンツファンはどんな行動をとるのか想像していただきたい。

「こんなランキング、インチキだ」とSNSで文句を言うファンもたくさんいるだろうが、「ファンのみんな、次はビリにならないようにSNSではもっとマナーよく発言しようぜ」と呼びかけるファンもかなり出てくるのではないか。

 自分たちにとっても不名誉ではあるが、何よりも愛すべきジャイアンツに「誹謗中傷の多いチーム」という汚名がつくことにガマンできないというファンも多いはずだ。