これまで述べたように、SNSで誹謗中傷をするような人たちは、「死ね」「カス」などの言葉を誹謗中傷だと思っていない。「悪いこと」と思っていないことを「やってはいけません」と注意をされたところで反省のしようがない。だから、やめられない。

人間というのは「得」がないとなかなか動かない生き物だ。特にSNSで会ったこともない人の事を「死ね」「消えろ」などと罵るような人に、「傷つけられたアスリートの心を想像してみろ」と説いたところで意味はない。想像できないから誹謗中傷をしてしまうのだ。

「誹謗中傷をやめろ」と頭ごなしに命じるのではなく、「誹謗中傷をやめたらこんないいことがある」と目の前にニンジンをぶら下げるような、実効性の高い対策も検討してみてもいいのではないか。

(ノンフィクションライター 窪田順生)

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