資料とビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

重要な会議や打ち合わせで散見される「残念な資料」。その多くに共通するのは「3つの残念ポイント」だという。資料を改善しろと言われても具体的に何をすればいいのかわからない人のために、プロが添削の実例を挙げ、「ロジカルで伝わる資料」を作成する方法を伝授する。本稿は、丸 健一『ロジカル資料作成トレーニング コンサルタントが必ず身につける定番スキル』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

量が多すぎる会議資料に上司が
「分かりやすくまとめ直してくれ」

 あなたは、会社の重要な会議で発表をしている。今日に向けて、部下にも資料作成を依頼し、関連する部門からも資料を取り寄せ、万全の準備をした。資料は30枚を超えていた。

 1枚1枚説明していくが、会議の雰囲気は重い。時間だけが過ぎていき、「発表は以上です。何か質問はありますか?」と発表を締めたが、誰も何も話さない。

 気まずい数十秒の沈黙の後に、最も偉い上司がつぶやいた。「ちょっと量が多すぎて消化不良なんだが、要約するとどういうことなんだろう?」

 あなたは、咄嗟に話し始めるが、返答が要領を得ていないことは自分でも薄々勘付いている。しどろもどろのところに、他の参加者から質問が飛ぶ。「あれはどうなっている?」「この件は話が違うのでは?」

 質問の中には、すでに説明をしたつもりだった項目も含まれており、あなたは「先ほど説明した資料にありますように」と、何度も繰り返して返答をするが、相手の表情はパッとしない。

 結局、時間切れを迎え、あなたは最も偉い上司から「今日は、色々意見が出たから、それを踏まえて資料を分かりやすく数枚にまとめ直してくれ結論はその後にしよう」と言われて会議は終わった。