残念な資料には「診断」が必要で、診断内容は大きく3つの種類に分かれる。(1)何のために書いた資料なのかの目的が曖昧な資料、(2)結論が書かれていない資料、(3)結論の根拠が書かれていない資料の3つだ。

 例えば、(1)自社製品の価格を決めたいという目的の資料であれば、(2)結論部分には、××円という価格が明記されているはずで、(3)なぜ××円にするべきかの根拠も書かれているはずだ。3つの要素のどれかが欠けていると、相手には伝わらない。

目的のない資料が生まれる要因は
資料作成の指示を出す側にあった

 より大事なのは、(1)の目的を明確に定めることだ。何を伝えたいのかが分からない目的のない資料は、読み手を戸惑わせる。会社の中で作られる全ての資料は、最終的には何かしらの判断のもとになるはずだ。にもかかわらず、何を伝えたいのかが分からない目的のない資料を書くと、誰のためにもならない資料を作ることになる。

 目的がない資料が生まれるのは、得てして資料作成の指示を出す側の問題だ。他の部署や自分の部下に対して、そもそも資料を作成する目的が説明できていない。

 自分でしっかり考えて指示を出すのはとても面倒なので、「とりあえずまとめといて」「あり物でいいから」「概要が分かればいいから」と、その場しのぎの指示を出してしまう。