もしかしたら、自分のやり方は、とても非効率なのではないだろうかとふと思う。

 幸いなことに?こんな日常は、あなたの会社だけでなく、多くの会社で起こっている。筆者は人材育成系の仕事を手がけており、その中のサービスに「資料の添削」というものがある。次期社長・役員から新入社員まで幅広く多様な役職・業種を相手に手がけており、会社や部門のビジョン・方針、新規投資の意思決定、コンペの企画書、事務の手続きのやり方の説明、バックオフィスが人材不足を訴える資料、さらには新入社員の自己紹介資料まで、文字通り会社の上から下まで他人が書いた資料を見てきた。

 筆者の経験の中では、役職に関係なく残念な資料を書いてしまう。社長だろうが、役員だろうが、部長だろうが、課長だろうが、新入社員だろうが、筆者自身も、意味が分からない資料を作り、「要は何が言いたいのかが分からない」残念な状態に陥ることがある。

 そんな状況を作り出す“残念な資料”は会社のそこら中に転がっている。

 どうして残念な資料は多いのか?筆者が資料の添削を通じて分かったことは、多くの人は、資料が陥っている残念な状態を診断するスキルがないということだ。何が原因で資料が相手に伝わらないのかを診断できずに新たな資料を作っていては、ただただ残念な資料の枚数だけが増え、状況は一向に改善しない。