しかしその1年後の2021年、7年近く連載していた『UQ HOLDER!』の終わりが自分の中で見えてきます。またその少し前に、政府が当事者であるマンガ家の話を聞かずに、ネットでの表現活動を過度に萎縮させるような法案を通そうとしたため、「やはり政治の世界にも私のような当事者として活動をする人材が必要なのでは」と考え始めていた頃でした(2019年の「静止画ダウンロード違法化問題」です。日本漫画家協会が反対したことで、法案は再検討されることになりました)。

 そこでもう一度、山田議員とお話しすることで、自分が政治家になることの意義を再確認します。2人がコンビを組んで3年ごとに選挙に出れば、隙間なくマンガやアニメを守ることができるため、出馬を決意しました。

 そして次にやるべきことは、2022年の選挙に出るために「自民党の公認」をもらうことでした。自民党から出馬しようと思ったのは、政権与党の内部から表現規制の芽をつむためのあえての選択でした。公認をもらうため、2021年12月に自民党の選挙対策委員会に書類を提出して面接を受けました。

 事前に山田議員から推薦を頂いただけでなく、私がこれまで出した作品や、経歴、当選してからやりたいことなどをまとめた資料を用意して挑みました。さらに、以前から日本漫画家協会の人間として自民党にロビイング活動をしていたこと、マンガそのものの世界的な評価が高かったこともあり、党からもスムーズに公認を得ることができました。

 無事、公認を得ることができ、あとは今連載中のマンガを無事終わらせるだけ……そう思っていたのですが、ここで予想外のトラブルに直面します。

関係者からのリークか
マンガと並行して政治活動

 公認を得る前、私はマンガ家としての仕事をすべて終わらせてから、政治家になる活動に励むつもりでした。連載マンガ家の仕事は多忙ですし、30年近いマンガ家人生の区切りとして、できる限り作品のクオリティを高めることだけに集中したかったからです。