ところが、公認を得た直後の2021年12月、私が自民党から出馬するという情報が、はやくもマスコミに漏れてしまいました。関係者が何らかの意図でリークしたのかもしれませんが、私にとっては寝耳に水でした。

『UQ HOLDER!』の連載が残り2、3話残っている中、私は執筆だけでなく、メディアやSNS対応にも追われることになります。「赤松健」や「出馬」「ラブひな」というワードがSNSのトレンドワードになるなど、結局、単行本の加筆作業が終わる2022年2月まではマンガ家の仕事と政治活動が入り交じる忙しい日々が続きました。

国会にっき第62回より同書より転載

 無事、3月に『UQ HOLDER!』最終巻が発売され、選挙まで残り4カ月……。「連載マンガ家」としての赤松健に一区切りがついたので、ここからは政治家・赤松健になるための準備を本格化していきます。

 まず秋葉原に事務所を開きました。ご存じの通り、秋葉原はサブカルチャーの中心地。私の作品のファンが多く集まる土地柄ですし、表現の自由に対する関心度の高い有権者が多くいます。実際に、事務所の近くで私の活動を紹介するパンフレットや政治活動用のビラを配ると、ほとんどの方が受け取ってくれました。

 そして次に力を入れたのが、「赤松健47都道府県街頭演説チャレンジ」です。全国の有権者に顔と名前と政策を知ってもらうために、北は北海道から南は沖縄までを全国行脚する旅に出ました。具体的に訪れた土地は図の通りです。

四十七都道府県をめぐった際のスケジュール同書より転載 拡大画像表示

「本人」と書かれたたすきをかけて、自分の問題意識やこれまでの実績、私が政治家を目指す理由などについて街頭演説しました。

「本人」のたすきをかけた赤松健同書より転載