もし、あなたが「誰かを助けたい」と思ったなら、まずは自分の状況を確認しましょう。

 体力・精神力・集中力・業務量……などを考慮したうえで、「今は無理だな」と判断した際には、助けられる状況にある人をサポートしてあげてください。

 たとえば、自分の上司が新人を助けているのであれば、上司の雑用を引き受けたり、メンバーの進捗を確認したり、メンバーの報告をまとめたりといったサポートをすることができます。

 これによって、上司の負担がかなり減り、結果的に後輩を助けることにつながります。

「困っている人を助けたい!」そう思ったとき、心優しい人がやってはいけないこととは?『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』ぱやぱやくん(著)
定価1,760円(朝日新聞出版)

 あなたが「アフリカの子ども達を助けたい」と思ったときも、直接アフリカに行く以外の選択肢はたくさんあります。たとえば、寄付をしたり、活動している人のことを紹介したり、さらにはSNSで拡散したりすることも立派なサポートです。

 だから、自分で直接ボランティアをする以外にも、あなたの行動で多くの命は助けられるのです。

 むしろ、あなた自身が無理をして自分も倒れてしまうのは、優しさではありません。それよりも大切なのは、助けられる人を助ける努力をすることです。

 それこそが相手のことを思いやる行動の一つであり、手助けをすることにつながっているのです。

(ぱやぱやくん)

ぱやぱやくん/防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。著書に『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)、『陸上自衛隊ますらお日記』『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(以上、KADOKAWA)など。

AERA dot.より転載