人は、他人と一緒に過ごしているときに、どのように感じ、どのような行動をするのかを研究する「対人心理学」。あまり聞き慣れない言葉だが、私たちが人間社会を生きる上では欠かせない学問でもある。たとえば、都会の人は「冷たく」、田舎の人は「温かい」というイメージを抱いている人も多いだろう。これはただの俗説ではなく、実際に都会と田舎とでは人々の行動に違いがあるという。ビジネス心理学の専門家・内藤誼人氏が解説する。※本稿は、内藤誼人氏『世界最先端の研究が教える新事実 対人心理学BEST100』(総合法令出版)の一部を抜粋・編集したものです。
人との関わりを探る対人心理学は
社会でうまく生きるためのツール
みなさんは対人心理学と聞くとどんなイメージを持たれるでしょうか?
初めて耳にしたという方も多いのではないでしょうか?心理学は知っているけど、対人心理学は知らないという方も多いと思います。
心理学にはさまざまな分野がありますが、対人心理学は、私たちが他の人と一緒にいるときにどのように感じるのか、どのような行動をとるのかを調べる学問です。
集団や社会の中で個人が何を感じ、他の人との関係がどう築かれていくのかを主な研究としています。一般的には社会心理学とも呼ばれています。
つまり、社会(職場や学校など)で生きている私たちにとって対人心理学ほど日常に密接している学問はありません。
私たちは1人では絶対にしないことでも、集団になると平気でやってしまうことがあります。たとえば、いじめなどは典型的な例です。個人では「いい人」であっても、集団になると途端に「イヤな奴」になったりします。人間は集団になると心の状態が変化するのです。
社会で人との関わりは、私たちは絶対に避けては通れません。私たちにとって社会を上手に生きていくための学問が対人心理学なのです。
誰かに思わず話したくなる!
対人心理学の一例を紹介
よくある対人心理学の本は、教科書的で説明が多く、あまり面白いものではありません。
対人心理学は心理学の中でも、とても幅が広い学問で、面白い研究が無数にあります。対人心理学では、仕事、学校、家族、恋人、結婚、スポーツ、政治、環境、法律、などありとあらゆることを研究の対象にしてしまいます。
対人心理学を少しでも学ぶと、世の中の見え方が180度変わってくるはずです。では、その研究の一部を紹介しておきましょう。