「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した、片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。
片づける対象は「モノ」だけではない
ここで一度、整理しておきましょう。
実家片づけというと、洋服を捨てたり、婚礼だんすを処分したり、「モノ」と向き合うイメージが強いかもしれません。
ところが、実は、片づける対象はモノだけではありません。
それは何かというと「紙」。
実家の「紙」というと、昔の写真や子どもの頃に描いた絵、手紙などの、思い出の品を思い浮かべるかもしれませんが、実家片づけで大事なのは、財産に関連する書類=いわゆる「金目の紙」のほうです。
もちろん、親御さんの安全を確保したり、快適な環境にしたりするために、モノを片づけることも必要です。
しかし、たとえある程度モノが片づいていたとしても「金目の紙」が整理されていなかったら、後々、大きな悲劇につながることが多いのです。
通帳が見当たらず預金がどこにあるのかわからなかったり、大事な紙を見つけられないせいで保険金がもらえなかったり、不動産の書類が見当たらず、実家を売買できなかったり……。
第1章でご紹介した「悲劇」の例を見てもわかる通り、実家片づけをしていなくて致命傷となるのは、往々にして「紙」を片づけられていなかったときなのです。
ですから、本書では、「モノの片づけ」と「紙の片づけ」を両方終えることを「実家片づけのゴール」としています。
それぞれの実践的な取り組み方は第4章と第5章で紹介していきますが、本章ではまず、基本的な心構えやルールを紹介します。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。