こういう友達を見つけたのは、私ひとりだけじゃない。

暮らしのなかで
特別な場所を占める友情

 世代を超えた友情というのは本当にたくさん築かれていて、とくに多いのが、ミレニアル世代とベビーブーム世代の友情だ。

 ミレニアル世代は「アボカドトーストみたいなヘルシーフードが好きで政治意識が高い世代」で、ベビーブーム世代は「別荘のローン支払いを終えた、英国のEU離脱を支持する世代」というように、対立的に描かれることが多い。ざっくりとした一般化は、世代間対立をあおる見出しでは使い勝手がいいけれど、この世代間ギャップは乗り越えられないものだという印象を与える可能性がある。

書影『女友達ってむずかしい?』(河出書房新社)『女友達ってむずかしい?』(河出書房新社)
クレア・コーエン著、安齋奈津子訳

 言うなれば、私の世代は、親世代より悪い時代を生きている史上初の世代。だから、上でも下でも年齢が大きく離れた友達をつくろうとすることが、よりいっそう誇らしいものに感じられる。ステレオタイプを打ち砕くために、前向きに行動しているような気がするから。

 知り合いの年下の女性たちに「あるわけない意外な女性同士の友情」について尋ねてみたところ、年齢差のある友達がいるのに、それを公言していない人が多いことにびっくりさせられた。

 彼女たちも、私と同じだったのだ。つまり、相手との年齢差をあまり感じていなくて、その友情はほかの友達づきあいとは切り離されたところにあるもので、だからこそ、暮らしのなかで特別な場所を占めている。