米連邦準備制度理事会(FRB)が今週開いた連邦公開市場委員会(FOMC)は、二つの点で注目に値する。一つは、真の経済状況やインフレの見通し、そして中央銀行に当たるFRBの政策が実体経済に影響を及ぼすメカニズムを巡り相当な不確実性がある中で、FRBが金融緩和モードに転換するという点だ。そしてもう一つは、これだけ複雑な未知数が存在するにもかかわらず、FOMCのメンバーほぼ全員の意見が一致している点だ。
今回のFOMCに関する解説は、この「ほぼ」に焦点を合わせている。FRB理事の一人が、短期金利の誘導目標を0.5%ポイント引き下げるというFOMCの決定に反対したのだ。ミシェル・ボウマン理事は0.25ポイントの利下げの方が望ましいと考えたのだろう。ワシントンにあるFRB理事会のメンバーが、政策決定に公式に異議を唱えたのは、2005年9月以来のことだ。