「時間のムダにならない会議」とは?

 先ほどの会話は、以下のようにならなければいけません。

リーダー「では、お互いの進捗を共有しましょう。この1週間の共有をお願いします。その際には、どの課題に対する取り組みかを説明してください。また、その業務が課題解決につながると考えた意図も併せて発表をお願いします」

メンバー「私は、今回の全体業務の中で『クライアントの満足度が低下している』という課題に取り組みました。まず、プロジェクトメンバー各自の動きが重複していないことを確認しました。私は来週、クライアントに現商品の不満をヒアリングしに行きます。私は、クライアントの満足度が低下したのは、商品故障時の対応遅れにあると感じています。そのため、対応遅れを解消する策をサポートメンバーと検討し、ヒアリング時にクライアントにご提示できるようにしておきます」

 もちろんこれは一例です。着目していただきたいのは、「何のために」「どんな行動をしたのか」が明確になっていることです。

「頑張ります」「先手先手で動きます」
言語化されていない言葉たち

 チームで打ち合わせをしても成果につながらないのは、チームメンバーが有意義な動きをしていないからです。そして、メンバーの動きが有意義なものになっていないのは、何のために、何をするかが言語化されていないからです。

 そして、目標未達のメンバーに改善策を聞くと頑張りますなどの精神論で返ってくることがほとんどです。もしくは、顧客の意図を汲み取って、先手先手で動いていきますという対策を出します。しかしよくよく考えると、この「顧客の意図を汲み取って、先手先手で動く」ということが何を指しているのかまったくわかりません。

 メンバーの動きを有意義なものにするために、リーダーはメンバーのアクションを言語化する必要があります。

 そのためにリーダーは、先ほどの会議の例のように、メンバーが「何のために、何をするか」を答えられるような声かけをしましょう。