正解:買うならO社

P社は配当性向が98%と高すぎるので要注意

 P社は1株当たり利益100円のうち98円と目一杯に配当を出しています。

 もし1株当たり利益が90円に減ると、配当金は90円以下に減らされるリスクが高いです。

 利益剰余金があれば、1株当たり利益を超える配当(タコ配)も一時的に可能ですが長く続けることはできません。

「株主への利益配分に積極的」という点は良い→
「減益になると減配となりやすい」点が要注意→×

O社は配当性向が30%で平均的

 株主への利益配分方法として、配当金のほかに、自社株買いもあります。配当金が必ずしも多くなくても、自社株買いをたくさんする企業は、株主への利益配分に積極的と言えます。

「株主への利益配分方針は平均的」で積極的とは言えない→
「減益になってもすぐ減配になることは少ない」点は良い→

O社のほうがPER(株価収益率)で割安

 O社とP社のPERを比較すると、O社の方が割安であることがわかります。

O社PER
=[株価750円]÷[1株当たり利益100円]
=7.5倍

P社PER
=[株価2450円]÷[1株当たり利益100円]
=24.5倍

JTは配当性向を約75%とする方針

 ちなみに、高配当利回り株として知られるJT(日本たばこ産業)は、配当方針として、「配当性向75%を目安(±5%程度の範囲内で判断)」と掲げています(2024年9月時点)。

「株主への利益配分にきわめて積極的」な点が評価できる→
「配当性向70~80%」が目安、大きく減益すると減配も×

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)