大学格差#5Photo:PIXTA

学習院女子大学は2026年4月に学習院大学と統合する。この計画が発表された直後の24年度入試で、学習院女子大の志願者数が激増した。「学習院女子大に入学して、学習院大を卒業する」ルートが人気を集めたのだ。25年度入試はこのルートを狙うラストチャンスである。特集『大学格差』(全20回予定)の#5では、ラストチャンスの難度を分析。併せて、私立女子大26大学について43年間の偏差値の推移早見表を掲載する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

突如人気の学習院女子大
志願者数が1000人超増えた

 来年年明けに一般選抜が実施される2025年度入試をもって、学習女子大学は入学者募集を停止する。つまり25年度入試が「学習院女子大に入学して、学習院大学を卒業する」というルートを狙うラストチャンスとなる。

 学校法人学習院が学習院大と学習院女子大を統合する計画が発表したのが、23年夏。直後の24年度入試では、学習院女子大の志願者数が激増した。23年度に1425人だったものが24年度は2486人と、1000人以上も増えたのだ(下図参照)。

 

 女子大全体の志願者数が減少傾向にあり、学習院女子大もそれまでは例外でなかった。24年度で突如人気となった理由は明らかだ。統合時に転学して学習院大で学位を取るルートが人気を集めたのである。

 計画通りに進めば、学習院女子大は26年4月に学習院大学と統合する。学習院女子大の学部構成は国際文化交流学部一つだけで、統合後はそのまま学習院大の学部として温存される。同学部に在籍する学生は、転学して学習院大の学生となる。

 学習院女子大の国際文化交流学部の23年時点における偏差値は56(「進研模試」を基に算出された24年度入試における合格可能性60%以上80%未満ライン)。学習院大学の国際系学部である国際社会科学部で69。「GMARCH」(学習院大、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)という首都圏の難関私立大学群にくくられるブランド力で見ても、一般的な大学の格は学習院大が勝るといえよう。

 同様に受験難度やブランド力で格上となる慶應義塾大学と08年に合併した共立薬科大学のケースを振り返ると、慶應義塾大の薬学部になってから偏差値は上昇した。学習院女子大の国際文化交流学部も同じ道をたどると想定すれば、学習院女子大に入って転学するという、25年度入試までの期間限定ルートはお得と解釈される。

 故に25年度入試も、学習院女子大には大量の志願者が押し寄せることが見込まれる。

 次ページでは、ラストチャンスとなるお得ルートの難度を分析。併せて、私立女子大26大学について43年間の偏差値の推移早見表を掲載する。