生成AIを巡るブームと投資が全世界で止まらない中、二大有力企業による世紀の提携が実現した。もはや生成AIの代名詞ともなったエヌビディアと、「コンサル企業の枠を超えた存在」であるアクセンチュアだ。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、両社の提携の詳細に加え、今後のコンサル・ITベンダー業界への影響についても考察する。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
「エヌビチュア」連合誕生で生成AIブームに王手!?
エヌビディア史上過去最大の提携に
AI業界の「王者」ともいえるGPU(画像処理半導体)シェアトップの米エヌビディア。同社にとって過去最大級の提携が実現した。相手はやはりコンサル業界の最強の一画を占める、米アクセンチュアだ。
10月2日、両社は生成AIを企業向けシステムに適用するためのプラットフォームの提供を共同で行うと発表した。
エヌビディアには、GPUの流通や、AIシステムへの組み込みなどを担当するベンダーなどのパートナー組織である、エヌビディアパートナーネットワーク(NPN)という仕組みがある。ITベンダーやSIer(システムインテグレーター)や、GPUの販売代理店、技術サポートのソフトウエアソリューション企業、クラウドソリューションを提供するパートナーなど、さまざまな企業が加入している。日本国内では約80社が加入しているという。
今年6月から、このパートナーとしてデロイト トーマツ コンサルティングも加わった。上流から下流まで、コンサルティングからインテグレーションサービス、そしてビジネスサポートまで対応でき、ビジネスモデルのアイデア提供や、市場展開なども支援できるという。
一方、今回のアクセンチュアとの提携は、日本を含む世界120カ国向け、専門人材3万人が絡む大規模なもので、こうしたNPNとは異質のものだ。エヌビディアの過去の歴史の中でもかなり大がかりな提携となっているのだ。どのような内容なのか、次ページから詳しく解説していく。