私も本当にそうだと思います。そんな「公共設備の整備」には、たとえば私たちがお世話になる公共トイレなども含まれます。

 昔も、そしてこれからも、思えば黙々とキレイにしてくださっている高齢者の方々のおかげなのですが、ふと気づくと、その「高齢者」の中に、私自身がとっくに加わっているわけで、だからこそ「面接確約のメール」が送られてくるわけです。

 さらに坂本さんは、以下のような正直な気持ちを披露しておられます。

 彼らがなぜ歳を取ってまで働いているのか。その個々の事情まではわからない。生活には十分に余裕があるが少しでも誰かの役に立ちたいと思って仕事をされている方もいれば、日々の家計の足しにすることを目的としながら働いている人もいるだろう。

 実際、私にしても、他人である彼、彼女らの「本当の気持ち」を知る由もありませんが、確かに「世間とつながりを保ち続けたい」という気持ちは私自身にもあり、その1つの手段として「陰から支える仕事に就く」というのは、今後も大いにあるとは思います。

定年後の高齢者の多くが
日本経済の一部を支えている

 とはいうものの、残念ながら同氏に賛同しかねる部分もあり、具体的には次の点になります。

 定年後の仕事の実態を丹念に調べていくと浮かび上がってくるのは、定年後の「小さな仕事」を通じて豊かな暮らしを手に入れている人々の姿である。