語彙力を伸ばす方法(5)
「待つこととまかせること」
先ほど、お子さんが言葉を獲得し、それを使いこなせるようになるまでには、時間を必要とすると申し上げましたが、大人は、それをしっかりと待つことも大切です。
竹内明日香 著
例えば、お子さんが適切な言葉を思い出すのに時間がかかり、会話に少しの間、沈黙が生じたとしても、大人が言葉を差し込まず、お子さんが自ら、自分の奥底にしまった言葉を引っ張り出してくるのを待つことも、語彙力の定着につながります。
また、お子さんが、新しく覚えた言葉の使い方を間違えることもよくあります。せっかく新しい言葉を使おうとチャレンジしているのですから、保護者の方は、間違いを笑ったり、細かく指摘したりするのではなく、あえて聞き流してお子さんのお話を先へと進めてあげてください。いずれ、正しい使い方は身につきます。
また、お子さんが新しい言葉を使って何かを伝えようとしてくれている時には、「すごいね」「よく知っているね」といった反応だけでなく、「それは知らなかった。もっとくわしく教えて」と話を掘り下げたり、「そんなアイデアは聞いたことないよ。ユニークだねぇ。どうやって思いついたの?」などと、お子さんを褒める部分をより具体的に表現して、それこそ豊かな言葉で伝えられると良いと思います。