――今回は温泉ビジネスの今後について伺いたいと思っています。浴場数の推移を見ていくと、「一般公衆浴場」であるいわゆる銭湯が減ってきていて、「その他の公衆浴場」に分類されるスーパー銭湯やサウナなどは2012年からほぼ横ばいの状況です。

図表:浴場数の推移同書より転載 拡大画像表示

山崎 そうですね。銭湯は事業継承などがうまくいかなかったりして、少しずつ減っています。一方でスーパー銭湯は新しい形態のお店がいろいろとできていて、一定数を維持しています。

堀江 昔、銭湯は儲かったんですよ。昭和40年代くらいまでは家に風呂がなかったから、みんな銭湯に行っていた。それに、銭湯には補助金みたいなのもありますよね。

山崎 はい。銭湯には上下水道料金や固定資産税の減免などがあります。これは、入浴料金の上限が決まっていることやこれまで公衆衛生のインフラとして機能してきたからです。一方で、スーパー銭湯には補助金がありません。

堀江 だから、銭湯はボロ儲けだったんですよ。何も工夫をしなくても良かった。それでもお客さんが来てくれたんです。言葉を選ばずに言うと、多くの銭湯はやる気がなかったんですよ。でも最近は、やる気のあるごく一部の銭湯が事業継承して店舗数を増やしています。