人生の折り返し地点とされる40代、大事な3つの指針を意識することで、その後の人生で揺るがない座標軸ができるという。教育学者・齋藤孝氏が示す先人達の精神論に触れながら、人生を好転させるコツを探る。本稿は、齋藤 孝『40代から人生が好転する人、40代から人生が暗転する人』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
3つの「これだけは外せない」が
40代以降の人生の道しるべに
老後の自分をイメージしながら、人生において何が自分にとって大事なことなのか、「これだけは外せない」というものを常に頭のどこかに置いておくことは、40代以降を生きるうえでとても大事なことです。それがその人の今後の人生の柱であり、指針になるからです。
少し前ですが、卒業して何年か経ったある学生から、就職活動の面接でこんなことを聞かれたという話がありました。それは、「人生であなたがこれだけは外せないものを3つあげてください」という質問だったそうです。
そのときに学生がどう答えたかまでは覚えていないのですが、印象的だったのは彼がそのときに絞り出した3つの答えが、その後も彼の人生の道しるべに近い存在になっていたということです。
3つの答えは、その後は優先順位が入れ替わったり、答えが部分的に別のものになったりと上書きされながら、「迷ったときに自分を人生の座標軸に戻してくれる道しるべになっている」というのです。なるほどと思いました。