埼玉共学校三強の一つ「大宮開成」

 栄東の東大と開智の特待は難関校並みの偏差値が付いている入試回だが、この2校に次ぐ存在が中堅校の大宮開成(さいたま市大宮区)である。公立一貫校では、さいたま市立の浦和や大宮国際と並ぶ難度となる。

 大宮開成の入試はシンプルで、三つの入試回はいずれも前半と1時間ずらした後半に分けられている。2024年に2295人が受験した[10日1回]は、実倍率1.92倍だったが、志望者数は1割半弱減っており、25年は23年の1.77倍程度まで緩和するかもしれない。[12日特待生選抜]は実倍率2.03倍、[14日2回]は同3.13倍だったが、志望者数は前者が微減、後者が微増となっており、少しずつ上下しそうである。

 特待生入試では開智などと並ぶ難度なのが細田学園(志木市)である。24年に151人が受験した[10日適性検査型(dots)]は、公立一貫校の模試的な側面もあって、実倍率1.16倍と一番受かりやすい。4科と2科の一般入試では、[10日1回]は志望者数も1割強増えており、24年実倍率1.32倍が25年には少し上がりそうだ。[11日2回](24年は12日に実施)は2割増で、同1.87倍から25年は2倍に迫る展開になるかもしれない。[2月4日3回]の志望者数は4割増だが、24年の受験者が7人だったので予想は難しい。

 一般へのスライド合格もある特待生入試は、大宮会場も設ける[10日1回]の24年実倍率が9.89倍(23年は14.3倍)、[11日2回]が6.5倍(23年は11倍)と狭き門だが、前者の志望者数は3倍以上に増えており、25年に倍率がどうなるのか予想がつかない。

 青山学院大学系属浦和ルーテル学院(さいたま市緑区)は、系属校となった19年から数年間はケタはずれの競争状況となり倍率が毎年大きく上下するので、予想はとても困難だった。二つの入試回とも志望者数は増えているので、25年の倍率は上昇傾向と見ていい。

 青山学院大への内部推薦枠が魅力で、女子受験生が男子の2倍前後というのが例年の傾向となっている。志望者数が3割弱増えた[10日1回]は24年実倍率2.09倍(23年1.28倍、22年2.76倍)、同じく3割半増の[13日2回]は合格者を18人しか出さなかったため、同8.17倍(23年1.82倍、22年4.73倍)にもなっている。