特に大分県は、20代の若者に支持されており評価が高まっている。温泉地では多様化が進み、湯煙を活用したプロジェクションマッピングを実施するなど、旅館やホテルがさまざまな工夫を凝らしている。

「大分県は、温泉業界の世代交代が進んでおり、ユニークな噴水ショーやイベントが注目を集めている。温泉組合の若返りが影響していると考えられる」と田中社長。

 かつて温泉は健康や癒しを求める施設だったが、現在では、レジャーなどの遊びの一環として温泉を訪れる意識へと変化していると言える。 

沖縄県の離島ブーム
プラス要因は飛行機の直行便

 では、市区町村の上昇率ランキングを見てみよう。

 1位は宮崎県日向市で、昨年の10.2点から15.0点へと4.8点も伸びている(伸び幅のランキングは本稿では掲載していない)。2位は佐賀県有田市で11.9点から16.5点に上昇、3位は石川県輪島市で25.3点から29.7点に上がった。

 上昇の理由には、昨年の順位が下がった反動も影響しているため、必ずしも目立ったプラス要因があるとは限らない。その中で、沖縄県の石垣市(46.3点)や宮古島市(41.3)は、直行便の増加が後押しとなり、評価が上がったと考えられる。

 田中社長は、「最近は『沖縄に行きたい』と言っても、地域が細分化される傾向がある。その理由は明確で、石垣島や宮古島に乗り入れる航空便が増加し、特に東京や大阪、名古屋からの直行便も増える傾向にあり、アクセスが便利になったことが大きい。これからもさらに人気が高まるだろう」と指摘する。

 これからも、地域の魅力を再発見する機運がさらに高まっていきそうだ

(フリーライター 西嶋治美)