選手1人ひとりの存在や行動を承認することが、もっとも大切なのではないだろうか。
まず反省しなければならないのは、選手と指導者がお互い対等にモノをいえる関係を築かなかったことだ。
選手との関係はもちろん、チームのスタッフや関係者との関わり方も、主従関係からフラットな関係に転換すべきだった。お互いに対等でなければ、相手は自分の意見をいうことができない。
私は、内発的動機付けによって選手の主体性を引き出し、本人が自ら考えて判断し行動できるようになってもらうことが、スポーツ指導の目的だと考えている。選手1人ひとりが自ら考えて判断し行動できるチームが、高いパフォーマンスを発揮するからだ。
内発的動機付けとは、人の内側から生まれる感情や思考、信条によってつくられる動機のことをいう。主体性のカギになるものが、内発的動機付けなのだ。
最終的な人格形成という意味で、スポーツ指導とはリーダーシップ教育だといえるのではないかと私は考える。自ら考えて判断し行動できる人こそがリーダーシップの持ち主であり、自ら考えて判断し行動できる力を育てることが、リーダーシップ教育だ。