複数の相続人のうちの誰かが
相続税を納付しないとどうなる?

 複数の相続人がいる場合、自身が取得した財産に応じた相続税を納めることが一般的だ。基本的に誰か1人が代表して納付するものではない。では、別の相続人が相続税を納付しなかった場合には、どのようなリスクがあるのだろうか。

 結論から言うと、他の相続人の滞納に関しても、自分が支払うよう税務署から請求される可能性がある。なぜなら、相続税には「連帯納付義務」があり、相続人全員が連携して相続税を支払う必要があるからだ。遺言書で財産をもらう場合も同様であり、相続人が複数いる場合には注意が必要だ。なお、本来支払うべき相続人が税務署から納税猶予や物納を認められた場合は請求されない。

「相続財産を使い切ってしまった」「元々仲が悪く連絡しあう関係ではない」といった事情があっても、税務署は考慮してくれない。遺産分割協議や遺言書による財産の分配時に、いつ相続税を納付するのか確認しあっておくことも検討しよう。

 納付が遅れそうな相続人がいる場合、代表者が支払うことも可能だが、贈与とみなされる可能性もある。相続税は注意したいポイントが多いため、必ず税理士に相談した上で手続きを進めてほしい。