ZARAPhoto:Peter Dazeley/gettyimages

過剰消費や大量廃棄が問題視されるファッション産業。特に、「使い捨て」とやゆされるファストファッションへの風当りは、強くなっています。そのような中、「ZARA」ブランドを展開するインディテックスが3年連続の増収増益を達成しました。逆風の中でも成長を続けるZARAの秘密を探ります。(グロービス講師/グロービスAI経営教育研究所 マネージャ 松村真美子)

アパレルの王者インディテックス
逆風強い業界で、なぜ絶好調なのか?

 ここ数年、H&M銀座店(2018年)、原宿店(2022年)の閉店や、フォーエバー21の日本市場撤退(2019年)といったニュースが大きく報じられ、ファストファッションブームはもう終わったと感じる方も多いのではないでしょうか。

 アパレル業界は国連貿易開発会議から世界第2位の環境汚染産業とみなされるなど、サステナビリティーの観点から問題が指摘されています。中でも、安価で寿命の短いトレンド服を生産するファストファッションは、その最たるものとしてやり玉に上げられることが多くなっています。

 一方、業界1位のスペイン企業インディテックスは、2023年度の決算で3期連続の増収増益を達成。売り上げの73%を占めるZARAをはじめ全ブランドが成長し、売上高は359.5億ユーロ(約5兆7500億円*、前期比10.4%増)、営業利益は68.1億ユーロ(約1兆880億円*、同12.3%増)と絶好調です。
*24年1月の為替レート、1ユーロ=159.91円で計算

 インディテックスは、なぜこんなにも好調なのでしょうか。