「もうええでしょ!」会議で大きな声を出す人が、頭の中で考えていること写真はイメージです Photo:PIXTA

「もうええでしょ!」を
リアルで言っている人はいるのか

 Netflixのドラマ『地面師たち』には、印象的なシーンがいくつもあったが、なかでもピエール瀧が扮する司法書士が「もうええでしょ!」と大声を出して議論を終わらせようとするシーンは面白かった。これは、地面師チームに隠したいことがあり、これ以上相手側に突っ込んでもらいたくないときに、話を逸らしたり、議論を終結させたりするために使われた手法であった。

 同様に、リアルなビジネスミーティングや議論の中でも、誰かが大きい声を出すことがある。それはいったい、どのような意図に基づいているのだろうか。実は結構、戦略的に使われている。

 会議のフェーズの順に考えてみたい。

会議の初期の大声
目的:議論の方向性を制御

 会議の始めに大声で意見を述べることは、議論の流れやトピックを自分の望む方向に導くために行われる。これにより、自分の意見やアプローチが優先されるような雰囲気を作り出し、他の参加者が自分の提案に従いやすくするようにしむけるのである。

 例えば、

「喫緊の課題は○○であり、何を置いてもこの問題を解決しなくてはならない」

 と大声で誰かが冒頭に話せば、なんだかんだで、○○について初めに議論をすることになってしまう。