近年、企業による社員待遇の向上が続いている。人手不足や物価の上昇など背景は複数考えられるが、なにより、企業が成長するためには年収アップで人を引き付ける必要がある。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、最新のデータを反映した3年後の年収を大胆予想。特集『【最新版】3年後の予測年収1355社ランキング!全30業種で「勝ち組」はどこだ?』の#5では、電子部品・半導体業界の年収を独自に推計し、全43社のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
勝ち組「半導体業界」の年収に異変?
3年後に“1000万円超え”から脱落も
近年の日経平均株価の上昇、あるいは、過去最高値更新を支えてきたのは間違いなく、半導体業界である。
その業績や株価と歩調を合わせるかのように平均年収も増加を続け、1000万円を超える企業も珍しくない。レーザーテックに至っては、2023年6月期には1581.3万円と総合商社やコンサルティング会社と同水準となっている。他にも、ディスコの1507.1万円、東京エレクトロンの1272.8万円、SCREENホールディングス(HD)の1024.8万円、アドバンテストの1005.4万円と、主要な半導体関連企業の多くが高年収を誇る。
では、現代の勝ち組ともいえる、電子部品・半導体業界の3年後の年収はどうなっているのだろうか。ダイヤモンド編集部では、統計専門調査会社の協力の下、24年3月期までの実績値から3年後となる26年4月期~27年3月期の年収を大胆予想した。
試算対象としたのは、電子部品・半導体業界の43社だ。年収が業績などに連動することを前提に、各社の公表資料を用いて重回帰分析による予測モデルを作成、アナリストによる業績予想のコンセンサスデータを当てはめて試算を行った。
すると、先の「1000万円超えチーム」のある企業は、3年後の年収が22.2%も減少する試算結果に。さらに、「1000万円超えチーム」のうち、3年後に平均年収が増加するのは1社のみとなり、2社は1000万円を割り込む憂き目に遭うことが判明した。また、全体の43社中、約半数の21社が減少という、業界の中で明暗がくっきり分かれる形となった。
前述の5社に加えて、ジーエス・ユアサ コーポレーション、ルネサスエレクトロニクス、ローム、メガチップス、エスケーエレクトロニクス、マクセル、ミネベアミツミ、アルプスアルパイン、TDK、太陽誘電、村田製作所、イビデン、京セラといった企業の年収はどうなるのか?一挙に見ていこう。