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「娘は抑圧された気持ちを抱えていたのだと気づかされました。よかれと思ってやっていたことが、こんなに娘を苦しめてしまっていたのだなと。掃き出し口がなくて自分を傷つけることがあったのだと、正直この事実をどう受け止めていいのかわからないほど、動揺を隠せませんでした」

「私が押し付けてしまっていた勉強や習い事、私に対しての複雑な思いもカウンセラーを通して話してくれました。本人の希望で通信制の高校に編入したことを機に、『娘のやることには口出ししない、勉強を押し付けてガミガミ言わない』と誓いました」

 カウンセリングが進む中、教育虐待をするような“毒親”になってしまった自分の過去を振り返っていた。

 H子さんは高校生のときに膠原病を患い、持病を抱えながらの出産で産後うつがひどく、夫は長期休暇を取得してH子さんを看病し、H子さんの両親が娘の世話をする日が続いた。

「子育てが十分にできない日が続いたので、育児に対して負い目を感じていたのです。体力が回復して自分が働けるようになったときには、遅れを取り戻して優秀な子どもに育てるために、完璧な子育てをしなければならない、といった気持ちがすごく強くなっていました」