「いくつもの習い事をかけもちさせて、娘の自主性を奪ってしまった……。私自身はいつも娘を叱り飛ばすヒステリーな母になってしまい、娘は私を恐れて何も言い返すことができない状況に追い込まれてしまったのです」
幼稚園の頃からピアノを習わせ、英語力を身につけてほしいと、土曜には北関東の自宅から片道2時間かけて都内のインターナショナルスクールに通わせた。小学校に上がると国語、算数、英語の基礎を学んでほしいと塾通いもスタートさせた。
「どの習い事も、娘が少しのことで休むと『どうしてちゃんとやらないの?』などと、ピアノや宿題をやる娘の隣で私はいつもヒステリーを起こして叱っていました。テストでいい点を取っても『なんで100点が取れないの?』みたいな感じで責めていたと思います」
一方で夫は娘に対してはやさしい父親だった。H子さんが叱ると夫は娘をかばう、という役割ができていたが、娘が小学校6年のときに離婚してからは、母娘2人の生活になり、娘は逃げ場を失った。「離婚した後は、教育ママに固執していたつもりはなかった」とH子さんは言うが、娘の受け止め方は違った。