ニュースを新しい形で届ける
メディアが国内でも次々と誕生

 国内でも新たなメディアのモデルが生まれています。ユーザベースが提供する「NewsPicks(ニューズピックス)」は、リリースから10年で国内最大規模の経済ニュースメディアに成長しました。

 NewsPicksは、「新しい視点を集めて、経済の未来をひらく」というミッションのもと、経済ニュースに特化し、国内外100以上のメディアの経済ニュースを集約しています。

 有識者や各業界の著名人のコメントとともに読むことで、ニュースの理解を深めることができたり、オリジナルの記事や動画の配信など独自のコンテンツを楽しむことができます。

 キュレーター(情報を収集し、まとめる役回りを担う役職)が厳選したニュースで、その日に押さえておくべき重要ヘッドラインを、短時間でキャッチアップすることが可能です。

 経済ニュースを新しい形で届けるソーシャル経済メディアとして人気を集め、2023年の調査において、女性が使うニュースサービスにおいて利用時間No.1を獲得するとともに、同じく「総合ニュース」「専門情報・ニュース」のサブスクリプション(サブスク)型ニュースサービスにおいて、性別を問わず全属性で利用時間No.1を獲得しています(ユーザベースHP)。

 21世紀初頭の20年間を振り返れば、各分野でデジタル企業が旧来型構造の業界や企業と衝突する事態が繰り返されてきました。たとえば、YouTube対テレビ業界、ネットフリックス対エンタメ業界、アマゾン対リアル店舗を有する小売業、エアビーアンドビー対観光・ホテル業界、ウーバー対タクシー業界、アントグループ対銀行業界などがその一例です。

 こうしたデジタルネイティブの新興企業が躍進した結果、私たちの生活の中にデジタルやAI(人工知能)が深く入り込み、その利便性を享受できるようになりました。

 従来の社会経済システムでは、物財、すなわち、モノや資産、資本などの財力が企業の競争力を大きく左右しました。産業革命以降、資本主義経済が発展していく中で、消費財企業はモノを効率よく大量につくり、巨額の広告費をかけて成長を実現してきました。「物質的な豊かさ」を求めてきた時代には、こうした経済システムがうまく機能しました。

 一方、現代の私たちは、ありとあらゆるモノを入手できる時代に生きています。かつて憧れだったモノはあまねく行きわたり、身の周りの不足や不便さは昔に比べればはるかに少なくなりました。消費の基調はモノ消費からコト消費へと軸足を移し、単にモノを購入・所有するだけではない、「精神的な豊かさ」の充足へと人々の関心は移ったのです。