談笑する男女写真はイメージです Photo:PIXTA

トゥレット症は、自らの意思に反して声が出たり、身体が自然に動いてしまう疾患だ。SNSの普及に伴い他人と自分を比較してしまう機会が増えているが、トゥレット症である酒井隆成氏も他者との比較に悩まされた一人だ。「どうして他の人には病気がないのか?」という問いに悩まされ続けた筆者の人生を好転させた3つのライフハックとは?※本稿は、酒井隆成『トゥレット症の僕が「世界一幸せ」と胸を張れる理由』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

どんなときに自分が発症するかを
知っておくと生きやすくなる

「自分が病気を持っている」という病気に対する自覚や知識のことを「病識」と呼びます。

 トゥレット症に限らず、どんな病気にも言えることですが、この「病識」を持っているかどうかは、生きやすさを追求するうえで重要な要素だなと思います。

 たとえば、僕の知人は躁鬱の症状があるのですが、以前はその症状がどんな状況になると出るのかをよく理解していませんでした。

 そこで、「こういう症状がどういうシチュエーションになると出やすくなるか」を理解するようになってから、気持ちをコントロールできるようになったそうです。

 たとえば、以前は、「なぜそんなに気持ちが落ち込んでいるの?」と言われても、「わからない」としか答えられなかった。でも、その後、「なぜ気持ちが落ち込むのか」のメカニズムを分析していったら、「気圧の変化」「嫌いな人と話をした」「やりたくない作業があるのに先延ばししているのが気になっていた」「季節の変わり目だった」など、何かしらの要因があることがわかったそうです。