すると、全員が即答できないのです。ただし、「前期の3月末の締めの時は250名いました」とか「今年の採用予算は10名です」ということだけは答えることができます。でも、今の時点での正社員数を正確に答えられる社長さんは皆無でした。

成果を上げても評価されない
世界とズレている日本の企業慣習

 これは外資系企業では考えられないことです。なぜなら、人材(ヒューマンリソース)こそが企業にとって最大のコストだからです。そのコストを削減しなければ、業績の伸びが鈍化するのは当たり前ではないでしょうか。

 にもかかわらず、日本企業の多くは、昔からの習慣で新卒社員を一括で採用しています。アメリカとは違って、労働者を簡単には解雇できませんから、なかなか辞めさせることができない人員を、ものすごく簡単にごっそりと入社させてしまっているわけです。

 これで余剰人員が出ないわけがありません。余剰人員が多くなれば、当然効率は悪くなりますし、社員のエンゲージメントも低くなってしまうでしょう。日本企業が守ってきた慣習こそが、やる気のない社員を必然的に生みだしているわけです。