野田佳彦が相手だったら
手を組んでもよかった?

《約1週間後、菅氏は震災からの復興を大義名分に、谷垣氏に副総理兼震災復興担当相としての入閣を要請した。野党首脳を閣内に取り込むことで、事実上の「大連立政権」樹立を狙ったが、違和感を覚えた谷垣氏は拒否した。菅氏は打診の前にも、谷垣氏と近い加藤紘一元自民党幹事長やマスコミ関係者を通じ、秋波を送っていた》

 これは大連立を組まないとだめかなという議論はいろんなところであったし、私自身も「正式に申し込まれたら受けざるを得ない」という考えが基本にありました。この震災に関しては当然、協力できることは協力しなきゃだめだと思っていたからです。大事なのは、そのためにどんな手順を踏むかだと考えていました。大島理森さんら党幹部とも、そういう話をしました。

 だけど、菅さんの持っていき方に「そうじゃないんじゃないか」と感じたのです。不信感や不透明感が常に漂っていて、彼の周辺から何となく「これで自分の起死回生があり得る」というにおいを感じました。基本的な信頼感がなかったんでしょう。それまで菅さんとほとんど接点がなかったのもよくなかったのかもしれません。