党首討論で野田さんに協力を求められ、私は「先に党内をまとめなきゃだめなんじゃないですか」と投げかけました。そうしたら野田さんは「自分の党が半分に割れてもやる」という趣旨のことを答えましたよね。彼はそうやって気迫を正面にぶつけてくるスタイルなんですね。そういう正面を切るスタイルが、私に「こいつは本気だな」と思わせたのだと思います。

《同年6月、民主、自民、公明の各党は、当時5%だった消費税率を2段階に分けて10%へ引き上げる「社会保障と税の一体改革」の三党合意をまとめた。8月の三党の党首会談では、関連法案が成立したら「近いうち」に信を問うことで合意。民主党は関連法案に反対する議員の集団離党で分裂した。衆院解散は「近いうち」の合意から約3カ月後だった》

 こちらの思惑としては、「近いうち」はもうちょっと近いうちじゃないかと思っていました。野田さんとしても「もう少し早くしないと具合が悪いかな」という気持ちがあっただろうし、こちらの思惑は百も承知だったと思います。自分の党をまとめるのに苦労したのでしょう。「近いうち」をめぐる違いは若干出てきちゃったけど、よくやってくれたと思いますよ。