著者と話をして、本を作ることになったら、お礼と一緒に、その日に打ち合わせた内容を整理して、メールやLINEで送っておくというプロセスをやるようにしています。以前、印税率による食い違いが起こったことがあるからなんですが、お互いに決めたことを共有しておけば、問題は起きなくなります。

 印税などの諸条件に関しては少なくとも初回の打ち合わせ時には話すようにします。特にお金の話題は著者からは切り出しにくいので、こちらから提示しています。たまにいつまでも条件を言わない編集者もいますが、著者に気を揉ませるのは良くないと思っています。

「締め切り」自体が著者との
コミュニケーションツール

 著者によって原稿の進め方は様々だ。しかし、ペースややり方をすっかり任せてしまうと、後から困ったことやトラブルに発展する場合もある。締め切りや原稿のクオリティを管理し、スムーズに刊行まで辿り着くためには、進行管理が必要となる。が、一方であまり急かすと、それはそれで著者へのプレッシャーともなり、関係が悪化してしまう。スムーズに原稿をもらうことは意外と大変だ。

 原稿をやり取りするのに、一番大切なのは締め切りを決めることです。締め切りがあることで、「どうなってますか?」と連絡する口実になるんですよね。締め切りを落とす著者も多いので。