草下シンヤ 著、大泉りか 聞き手
本は著作権という意味においては、著者のものです。けど「いいものを作ってたくさん売る」ということが、著者と編集者の共通のゴールだとしても、著者はやはり原稿への思い入れが強くなるし、そこで客観性がなくなっていけばなくなっていくほど、読者へのチューニングや市場へ合わせることができなくなっていくんです。
なので、ビジネスとして成功させるためには、編集者の決定権を一定量は残しておかなくてはならない。そのためにも締め切りを遅れるくらいのほうが、著者に負い目を持たせられるという点では都合いい……とまでは言いませんが、結果的にそういう形になることもあります。
だから締め切りを作らずに放置することは、お互いの関係性が築けないってことだし、ダラダラしたままだと何も始まらない。締め切りさえ決めていれば、こちらから連絡しやすいし、なんらかの理由で落としてしまったというなら、また話すこともできますよね。