池田 その時に思ったのは、隕石はぶつかるのが分かっていてもよけようがねえから、大丈夫だって言って、とりあえずその日まで安心させるんじゃないかってこと。本当のことを言ったら、パニックになるだけだから。

書影『老後は上機嫌』(ちくま新書、筑摩書房)『老後は上機嫌』(ちくま新書、筑摩書房)
池田清彦(著)、南 伸坊(著)

隕石のほうが地震より、さらにそういう感じですよね。

池田 隕石は大変だよ。中生代の終わりに落ちた巨大隕石の衝突跡が、メキシコのユカタン半島にあるんだよ。チクシュルーブ・クレーターっていうんだけど、直径が180キロメートルぐらい。180キロメートルって東京から静岡ぐらいまでだから、途方もない大きさだよね。

 衝突した時にはその付近で地震が起きて、マグニチュード11とか12だった。12だとしたら、エネルギーの規模が東日本大震災の約3万倍だからな。津波も起きて、その高さが1600メートルっていわれてる。水の壁じゃなくて水の山だ。人類も終わるよな。

 それでも地球は平気で、木っ端微塵にはならなかった。「地球を大切に」とかよくいうけど、地球なんか大切にしなくたって、びくともしねえよ。人類はてめえのこと考えたほうがいいよ。