医学的な根拠がない
「近視なら老眼にならない」説
テレビCMで世間を賑わせたルーペ(拡大鏡)も、長時間の使用に推奨はできません。
そもそも、老眼鏡とルーペでは使用目的がまったく異なります。
ルーペの機能とは「拡大すること」だけです。
たとえば、少しぼやけて判別しにくい小さな文字があったとします。
これをルーペで拡大すると、文字が大きく視えるので、小さいときよりも確かに判別はしやすくなります。
しかし、このぼやけた文字を判別する作業は脳で行われます。
つまり脳に余計な負荷をかけてしまいます。
トレーニングとしてぼやけたものを短時間視るのはよいのですが、長時間ぼやけたものを視ていると、ぼやけた画像を正しく読み取れるように脳が“補正処理”を続けないといけないため、眼精疲労の原因になります。
目のパフォーマンスも脳のパフォーマンスも落ちてしまいます。
また、「近視の人は老眼にならない」という俗説に、医学的な根拠はありません。

近視の人はもともとピントが合う範囲が近方にあるため、老眼になってピントが合う範囲が狭くなっても、初めの頃は「近くが視えにくい」と感じにくいのです。
ただ、眼鏡などで矯正した状態では、一般の人と同様に手元が視えにくくなります。
ですから、近視があって「手元を視るときは眼鏡を外すようになった」という人は、老眼になっていると考えたほうがいいでしょう。
酷に聞こえるかもしれませんが、近視があろうがなかろうが、老眼からは誰も逃れられません。
でも「視え方」を正しく矯正することで、人生を好転させることはできます。