プレイヤーとしては優秀でも、マネジャーとしてはその優秀さを発揮できていないのです。
「チームで起こるあらゆる現象は、マネジャーの心の投影」と認識しましょう。
いますぐ脱却すべき
「マネジメントの無免許運転」
どうして、そんな我流のマネジメントが横行してしまうのでしょうか?
理由は、会社がマネジャーに対してマネジメントを体系的に学ぶ機会を用意していないことが多いからです。
実際に私は研修をする際に毎回100人以上の参加者に質問します。
「マネジメントを体系的に学んだことはありますか?」
すると、手を挙げるのは5人もいません。このことからも、マネジメントを体系的に学んだ人がほとんどいないのは決して間違った話ではないと思います。
マネジメントのこのような状態は“無免許運転”と同じだと私は考えます。なぜなら、かつての私がそうだったからです。
自動車教習所に行けば、最初に学科を教え、次に実技を行い、仮免許を取ったら路上教習に移ります。
教官が常に隣に座って指導をし、危ないときや間違いがあるときにはブレーキを踏んで違反や事故が起こらないようにアシストしてくれます。
さらに、教習所を卒業したら免許センターへ行って試験を受けます。規定の点数をクリアしなければ免許は公布されず、自動車を運転できません(行った場合は無免許運転で取り締まられます)。
橋本拓也 著
ですが、マネジメントの世界ではどうでしょうか?
社内研修や外部研修などで労務管理のための知識を教えることはするかもしれませんが、大部分では「この部下たちとチームを作って、この目標を達成しなさい。はい、スタート」でマネジメントは始まります。
心理学や人間を育てる方法、チームをまとめる方法、業務管理の仕方といったものを教えてもらえる機会はほとんどないでしょう。ですからマネジャーたちは自分なりの運転でチームを運営していくしかないわけです。
そんなマネジメントの無免許運転をしているマネジャーがほとんどなのです。事故が起きて当たり前ではないでしょうか。