結果、メンバーに嫌われるか、自信を喪失されるか、真っ向から反発されるか、陰口を叩かれるか、スネられるか、最悪の場合は部署異動や離職されてしまいます。
結果的にはマネジャー自身の上長からの評価が下がり、マネジャーの組織目標も未達成になります。
マネジャーの頭の中だけに存在する
「べき論」とサヨナラする
これらの諸悪の根源はマネジャーの“頭の中だけ”に存在する「べき論」です。
ここまでお伝えした「自分のような人間に育つべき」「自分と同じ結果を出すべき」「指示した通りに行動するべき」という正論が、このような事態を作り上げます。
しかも、この「べき論」はマネジャーの頭の中だけにしか存在しません。「べき論」の正体はマネジャー個人の正しさや思い込みによって生み出されたものだからです。
ここで少し距離を取って、俯瞰的にイメージしてみてください。
例えば、あなた直属のチームではなく、隣のチームで次のような事態が起きているとします。マネジャーとメンバーの人間関係がギクシャクして、マネジャーはいつもイライラして部下を無能扱いしています。
メンバーも明らかにマネジャーを嫌っているのが伝わってくるとします。
きっと、対岸の火事のように「まぁ大変だよね。でも、そういうプロセスがあるから人って成長するよね、もっと部下の話を聞いてみたら?」と優しく考えられるのではないでしょうか?
対岸の火事だと優しくできるのに、自分に火の粉がかかるとイライラしてしまう原因はマネジャー個人の正しさや思い込みであり、それを押しつけてしまう理由はマネジャーがメンバーを「自分の所有物」だと考えているからかもしれません。
最初にはっきり言います、この考え方は危険です。
メンバーが成果を出せなかったり態度が良くないのは、すべてマネジャーのマネジメントの質の結果と考えるようにしましょう。メンバー自身がマネジャーからもっと学びたいと思えていないのです。
もしもメンバーのパフォーマンスが低いのであれば、それはマネジャーの責任だと考えるようにしましょう。